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Communication 医師・患者関係

造血幹細胞移植を受ける患者に対するコミュニケーション・スキル

今井洋介

Trends in Hematological Malignancies Vol.3 No.1, 32-36, 2011

はじめに
 「ハイ・リスク,ハイ・リターン」という言葉は,造血幹細胞移植治療(ここでは同種造血幹細胞移植を指す)の分野においては,いまだに厳然として存在する。移植後に生じる多種多様な合併症を完全にコントロールする術を,現在の医学はいまだもちえていない。

はじめに(続き)

 「朝,お元気だった方が,夕方亡くなることもある。そういった患者さんに,どのように語りかければ良いのか,いかなる心理学や哲学の本を読みあさってもわからなかった。SHAREにこそ,それがあると思う。」とは,筆者の一期上の,日本サイコオンコロジー学会コミュニケーション技術研修会ファシリテーターである九州がんセンター血液内科部長 鵜池直邦先生の言葉である(『続・がん医療におけるコミュニケーション・スキル』医学書院,p24-p31,2009をぜひ参照されたい)。
 きわめて難解で理解しづらい移植の概念を伝え,さらに刻々と移り変わる病状を患者と共有し,移植治療完遂のためのモチベーションを保つためには,SHAREによるコミュニケーション・スキルが非常に有効であることを日々実感している。
 それでは,実際にどのような場面でどのようにSHAREを使うことができるのか,お示ししたい。

造血幹細胞移植治療におけるbad newsの特徴

 造血幹細胞移植においては,移植前処置の始まる以前より,退院して年余を経るに至っても,その時々に致命的な合併症および再発のリスクが存在する(図1・表1)。

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