パーキンソン病(PD)の診断は,現在は,主としてその特徴的な臨床症状の組み合せ,L-ドパに対する反応性および画像診断による他疾患の鑑別により行われているが,発症早期の診断はしばしば難しく,その病理変化を反映する画像あるいは生化学バイオマーカー(BM)の開発が求められている。さらに,近年の病理学的検討からは,孤発性PD における脳病理,特にα-シヌクレイン(α-syn)の異常蓄積は運動障害の出現以前に始まっており1),このような発症前段階の病理変化をとらえられるBMが開発されれば,PDの発症前診断とより早期の治療的介入も可能になると考えられ,その意義は非常に大きい。神経疾患の生化学的BMの探索研究においては,既知の疾患関連分子がBM として有用性であるかを検討する手法〔候補分子の解析(targeted analysis)〕が主流であり,われわれもPD およびその他の神経変性疾患の髄液BMについて報告してきた2)-7)。
本企画は問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・「Yes」の立場から/斉木臣二
・「No」の立場から/徳田隆彦
本企画は問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・「Yes」の立場から/斉木臣二
・「No」の立場から/徳田隆彦