パーキンソン病のVisual View
非ドパミン系神経伝達物質とパーキンソン病
掲載誌
Frontiers in Parkinson Disease
Vol.8 No.3 26-29,
2015
著者名
前田哲也
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
老年科
媒体
Frontiers in Parkinson Disease
パーキンソン病(PD)は運動症状を主徴とする神経変性疾患である。黒質から線条体へ投射するドパミンニューロンの変性脱落によるドパミン減少により惹起される。そのため治療としては欠乏しているドパミンの補充療法が行われる。一方,PDでは黒質線条体系以外の神経系にもさまざまな病理変化を呈する。そのためにドパミン神経伝達以外にも異常を来すことが知られており,近年の臨床研究からこれらに由来すると考えられる運動症状以外の問題症状,すなわち非運動症状が複雑に合併することも明らかにされている。病理診断上,最も重要な所見であるレビー小体病理の全身性分布が明らかにされるに従って,PDは今や中枢神経系にとどまらない全身性神経変性疾患と捉えられている。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。