パーキンソン病診断のコツとPitfall
NBIAとパーキンソン病の鑑別
掲載誌
Frontiers in Parkinson Disease
Vol.8 No.2 32-36,
2015
著者名
隅寿恵
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
老年科
/
小児科
媒体
Frontiers in Parkinson Disease
「はじめに」Neurodegeneration with brain iron accumulation(NBIA)は,基本的にジストニアを中心とした神経症候と基底核への鉄(Fe)沈着を認める神経変性疾患を総称する。かつてHallervorden-Spatz 病と呼ばれたpantothenate kinase-associated neurodegeneration(PKAN),また,Seitelberger病(乳児軸索ジストロフィー)として知られるPLA2G6-associated neurodegeneration(PLAN)が代表的な疾患である(略称は,それぞれ「ピーカン」「ピーラン」と発音される)。NBIAの有病率は100万人に1~3人とまれな疾患で,NBIAのなかではPKANの頻度が高いとされる1)。近年,遺伝子診断の発展によりFe代謝に直接関与するフェリチンやセルロプラスミン(Cp)の遺伝子異常症(前者はニューロフェリチノパチー,後者は無Cp血症)のほか,脂質代謝・膜のリモデリング・リソソーム・オートファジーなどに関連する分子をコードするNBIA原因遺伝子について明らかとなってきている2)。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。