パーキンソン病(PD)の病態研究は,ミトコンドリア障害説を発端とする。一方,遺伝性PDの原因遺伝子産物の機能解析から,ミトコンドリア品質管理の異常が指摘された。すなわち,損傷ミトコンドリアの除去機構の破綻がもたらす異常ミトコンドリアの蓄積が,病態の一端であると考えられた。
「パーキンソン病と酸化ストレス(図1)」多くの疾患が酸化ストレスの影響を指摘されているが,パーキンソン病(PD)も例外ではない。ミトコンドリアの生理的反応によって電子伝達系から漏出した電子が,豊富に存在する酸素と反応することにより活性酸素(reactive oxygen species:ROS)が産生される。スーパーオキシドアニオン(O2-),過酸化水素(H2O2),ヒドロキシラジカル(OH-)などのROSは,脂質過酸化,DNA損傷,酵素蛋白質障害を来すとされるが,PDではこれら酸化ストレスの指標の上昇がみられることから,ROSの関与が強く示唆されてきた。
「パーキンソン病と酸化ストレス(図1)」多くの疾患が酸化ストレスの影響を指摘されているが,パーキンソン病(PD)も例外ではない。ミトコンドリアの生理的反応によって電子伝達系から漏出した電子が,豊富に存在する酸素と反応することにより活性酸素(reactive oxygen species:ROS)が産生される。スーパーオキシドアニオン(O2-),過酸化水素(H2O2),ヒドロキシラジカル(OH-)などのROSは,脂質過酸化,DNA損傷,酵素蛋白質障害を来すとされるが,PDではこれら酸化ストレスの指標の上昇がみられることから,ROSの関与が強く示唆されてきた。