パーキンソン病診療Q&A
パーキンソン病における声とことばの障害(音声障害と構音障害)
掲載誌
Frontiers in Parkinson Disease
Vol.6 No.4 52-56,
2014
著者名
三枝英人
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
媒体
Frontiers in Parkinson Disease
「Q1 PDにおける音声・構音障害の臨床的特徴にはどのようなものが挙げられますか?」 「A」1. 臨床的特徴 パーキンソン病(PD)の発症早期から, 構音障害よりも気息性嗄声を中心とした音声障害を呈することの多いのが特徴である(表1)1). しばしば訴える症状としては, 大きな声が出ない, 声に力が入らない, 声が小さくなった, 歌えなくなったなどである. 喉頭内視鏡による観察では, 声帯自身には有意な形態学的変化は認めないか, 軽度の弓状変化を示す程度にもかかわらず, ストロボスコピーで観察すると, 声帯の粘膜波動が低下し, 声門閉鎖時間が短縮, もしくは声門閉鎖不全を呈することが多い(図1)2). しばしば, 音声症状がほかの身体症状に先行して発症することがあり注意が必要である. また, 音声障害が発症した時点で耳鼻咽喉科を受診しても, 声帯の加齢性変化や, 声帯萎縮などと誤診されている場合もある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。