パーキンソン病診断のコツとPitfall
失行(Limb apraxia):診察のポイント
掲載誌
Frontiers in Parkinson Disease
Vol.6 No.3 28-31,
2013
著者名
河村 満
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Frontiers in Parkinson Disease
「はじめに」失行はLiepmannによって最初に記載され1), 彼自身の一連の研究によって, 確固たる臨床症候としての位置を与えられた概念であるが, 一方でその難解性には定評がある. Liepmannは失行をほかの運動障害から独立させ, 四肢の運動感覚器官を, ある特定の目的を達成するために用いることができない症状と定義した2). この定義に基づく失行症状は3つの臨床型に分類される(表1). すなわち, 失行を大きく運動失行と観念性失行の2つに分類し, 運動失行をさらに肢節運動失行と観念運動性失行に分けるものである. 近年, 失行研究は多くの論議を経て, Liepmannの観念に回帰する流れにある. そこで, 本論文では, Liepmannの失行概念にのっとり, 観察法を再現し, 症状の診かたをできる限りわかりやすく具体的に示すことを試みる. なお, Liepmann自身が提示した失行型以外の, 歩行失行, 着衣失行, 構成失行などについてはここでは触れない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。