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誌上ディベート

本態性振戦はパーキンソン病発症のリスクか?

梶本賀義三輪英人花島律子

Frontiers in Parkinson Disease Vol.4 No.1, 11-17, 2011

「Yes」の立場から 
はじめに
 本態性振戦(ET)は日常診療で最も遭遇することの多い不随意運動の1つであり,しばしば明らかな家族歴が認められる疾患である。発症年齢は二峰性で,20歳代と60歳代の2つのピークがある。

その有病率は報告によってばらつきがあるが,およそ人口の0.4~6%とされ,特に高齢者では頻度が高くなり,65歳以上の人口の4%に達すると報告されている1)。

「Yes」の立場から(続き)

はじめに(続き)

一般的な臨床経験から,ETの主要症状は上肢や頸部における姿勢時および動作時振戦であり,それ以外の症状はみられないと考えられがちであるが,長期経過例では振戦以外に様々な症状を合併し得ることが知られている(表1)2)。

 ETほどでないにしろ,パーキンソン病(PD)もまた日常診療で遭遇する機会が多い運動異常症である。PDにおける振戦は,通常は特徴的な静止時振戦であり,これは疾患特異的な症状として受け入れられている。しかし,PDにおいて姿勢時振戦を合併することも決して稀ではない3)。姿勢時振戦の存在を根拠に,PDとETは合併し得るというような短絡的な考えは明らかに暴論であるが,PDの発症以前に長期間ETと考えられるような姿勢振戦が先行する例が少なからず存在することも事実である4)5)。ここでは,「ETはPD発症のリスクか」という問題について,「YES」の立場から文献的考察を試みたい。

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