全文記事
パーキンソン病診療Q&A
パーキンソン病の排尿障害
掲載誌
Frontiers in Parkinson Disease
Vol.3 No.1 58-61,
2010
著者名
榊原 隆次
/
内山智之
/
岸雅彦
記事体裁
連載
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Q&Aシリーズ
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全文記事
疾患領域
神経疾患
/
泌尿器
診療科目
泌尿器科
/
神経内科
/
老年科
媒体
Frontiers in Parkinson Disease
「Q1」パーキンソン病の排尿障害の特徴は何ですか?「A」パーキンソン病(PD)は, 筋固縮・動作緩慢・振戦・姿勢反射障害などの運動障害を呈する疾患ですが, 近年PDの非運動性徴候が注目されています1). 非運動性徴候として認知機能障害・精神症状・自律神経障害・睡眠障害が挙げられます. 自律神経障害の中には, 便秘・起立性低血圧・発汗障害・排尿障害・性機能障害などがありますが1), 特に排尿障害はPD患者さんに多く認められ, 生活の質(QOL)の低下の大きな原因となっています. コントロールスタディによりますと, PD患者さんでの排尿症状は27~64%にみられ, 健常対照群より有意に多くみられました(図1)2)3). このうち夜間頻尿が60%以上と最も多く, 続いて尿意切迫感が33~54%, 昼間頻尿が16~36%にみられました. 尿失禁は, 男性で26%, 女性で28.5%にみられました. 一方, 残尿はほとんど認められませんでした. すなわち, 過活動膀胱(overactive bladder:OAB, 尿意切迫症候群ともいいます)が, パーキンソン病の排尿症状の特徴といえます.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。