「概要」進行・再発乳癌の治療においては,有害事象の発現などによる投与中止を除くと,腫瘍が増悪するまで同一治療を継続施行することが標準治療となっている。パクリタキセル療法においては,しばしば蓄積性の末梢神経障害が問題となり,抗腫瘍効果は維持されているものの投与継続が困難となるケースもみられる。そこで,一次治療として高い奏効率が期待できるweeklyパクリタキセル(wPTX)+ベバシズマブ(BV)療法が奏効した進行・再発乳癌患者に対し,これら副作用の負担を考慮しwPTXを休薬し,その間にホルモン+BV療法へ一時的に変更することで,QOLを低下させずに全体の治療期間を延長できる可能性を考えた。また各種バイオマーカー測定を治療前・中・後の複数ポイントで実施し,効果予測と効果モニタリングを目的とした探索研究を付随して行う。本試験で期待通りの結果が得られれば,副作用を軽減しながら患者の予後延長に寄与しうる治療手法を提示できる。