癌の多くは細胞分化を伴い,腫瘍内に異なる表現型を有する細胞群が存在する。理論的には単一クローンからなる腫瘍はひとつの治療で治癒を得ることが可能であるが,複数クローンの存在は治療に耐性化したクローンの進展が,治癒を困難にする。治療により細胞自身が変化し別のクローンとなる場合もある。転移巣における癌細胞の表現型を捕らえることは,現在の正確な病状の把握であり,その必要性は言うまでもない。生検という限られた組織所見は転移巣のすべて,宿主のすべての癌の状態を反映することはできないという限界はある。転移病巣にheterogeneityが存在すれば,生検の結果は一部のクローンしか見ることができない。
症例検討会
ステップアップ講座 Heterogeneityと生検の意義について
掲載誌
CANCER BOARD乳癌
Vol.7 No.2 22,
2015
著者名
伊藤 良則
記事体裁
抄録
/
症例
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
CANCER BOARD乳癌
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。