よくわかる病理診断報告書
Q23 乳房内の石灰化の種類と意義について教えてください
掲載誌
CANCER BOARD乳癌
Vol.7 No.1 38-39,
2014
著者名
森谷 卓也
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
癌
診療科目
一般外科
/
腫瘍内科
/
放射線科
媒体
CANCER BOARD乳癌
石灰化とは,正常では存在しない部位にカルシウム塩の沈着をみる病的状態のことです。この中には,副甲状腺機能亢進症やビタミンD欠乏症により生じる高カルシウム血症に起因する転移性石灰化もありますが,乳房の石灰化のほぼ全てが変性壊死組織に二次的な石灰沈着を生じる異栄養性石灰化と呼ばれる病態で,マンモグラフィでとらえることが可能です。この中にはいくつかの病態がありますので,石灰化の形態と分布によって,病態を推定することができます。特に,非触知性の乳癌では石灰化の同定が癌発見の契機となることがありますので,臨床的にも極めて重要です。乳房内の石灰化の種類として,分泌型石灰化,壊死型石灰化,間質の石灰化,血管壁の石灰化などがあります。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。