「分子標的薬剤と皮膚障害」近年の分子標的治療薬の開発に伴って, これまでの癌薬物療法ではあまりみられなかったような副作用が注目され始めた. その代表的なもののひとつとして, 高頻度に出現する皮膚症状が挙げられる1).
「EGFR阻害薬によって出現する皮膚症状」「1. EGFR阻害薬と治療の対象となる癌腫」EGFRファミリーはシグナル伝達経路を構成し, 細胞内反応において主要な役割を果たしていることが知られている2). EGFRに対するモノクローナル抗体であるセツキシマブ, パニツムマブが大腸癌を対象に使われている. ゲフィチニブやエルロチニブといったEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が非小細胞肺癌に対して使われている. 最近, エルロチニブは膵臓癌に対しても適応拡大となった. またラパチニブは乳癌細胞の細胞膜表面近くにあって乳癌細胞の増殖に重要な役割を果たすHER2だけでなく, 前述の多くの癌腫で発現が認められているEGFRのチロシンキナーゼのATP結合部位にも可逆的に結合して乳癌細胞の増殖を抑制することが知られている3).
「EGFR阻害薬によって出現する皮膚症状」「1. EGFR阻害薬と治療の対象となる癌腫」EGFRファミリーはシグナル伝達経路を構成し, 細胞内反応において主要な役割を果たしていることが知られている2). EGFRに対するモノクローナル抗体であるセツキシマブ, パニツムマブが大腸癌を対象に使われている. ゲフィチニブやエルロチニブといったEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が非小細胞肺癌に対して使われている. 最近, エルロチニブは膵臓癌に対しても適応拡大となった. またラパチニブは乳癌細胞の細胞膜表面近くにあって乳癌細胞の増殖に重要な役割を果たすHER2だけでなく, 前述の多くの癌腫で発現が認められているEGFRのチロシンキナーゼのATP結合部位にも可逆的に結合して乳癌細胞の増殖を抑制することが知られている3).