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乳癌におけるmicroRNA検査

笹野公伸柴原裕紀子

CANCER BOARD 乳癌 Vol.6 No.1, 73-75, 2013

「microRNAとは何か?」腫瘍の発生や進展に深く関わるとして, 近年microRNA(以下miRNA)が注目されている. miRNAは細胞が内在性に発現している22塩基程度の極めて短い1本鎖RNAである1). miRNA自身はmRNAなどとは異なり蛋白質をencodeしておらず, 相補的な配列を有する, 対応するmRNAの3'末端領域に“不完全”に結合することで一度に複数の遺伝子を抑制的に制御する. このmiRNAは種々の基礎研究によって生物の発生, 細胞増殖, 分化, アポトーシスなどの過程で極めて重要な役割を果たしていることが分かり, 大きな注目を集めてきている2). また, miRNAは多くのヒト悪性腫瘍でもその発現の変化が報告されており3), 発現上昇しているmiRNAはoncogene(腫瘍促進因子)として, 発現低下しているmiRNAはtumor suppressor(腫瘍抑制因子)として機能していると考えられている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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