<< 一覧に戻る

化学療法 副作用情報室

悪心・嘔吐・食欲不振対策 update

津田萌石黒洋

CANCER BOARD 乳癌 Vol.6 No.1, 68-71, 2013

「1 ステロイド, 過ぎたるは及ばざるがごとし」デキサメタゾン(dexamethason:DEX)は悪心・嘔吐予防に有効ですが, 胃腸障害や不眠などの副作用もあります. 有効でかつ副作用の少ない用量は患者ごとに異なるため, 次コース前にDEX用量を調節します. アントラサイクリン・シクロホスファミド併用では, パロノセトロンを使用する場合day2以降のDEX省略も可能です(図1). シスプラチンなどの高度催吐性薬剤では, 遅発性悪心に対しday2以降のDEXが有効ですが, 至適用量は明らかでありません. 投与後数日経って胃部不快感などが増悪する場合, 抗癌薬による悪心よりDEXの副作用が疑われ, DEX減量で改善することも経験します. 抗癌薬による悪心とDEXによる胃腸障害の鑑別が重要です. 「2 抗精神病薬の底力:悪心・嘔吐の標準治療」悪心・嘔吐に対しプロクロルペラジンやオランザピンなどの抗精神病薬が使用されます.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る