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よくわかる病理診断報告書

Q20 平坦型異型について教えてください

森谷卓也

CANCER BOARD 乳癌 Vol.6 No.1, 52-53, 2013

平坦型異型(flat epithelial atypia:FEA)とは, 終末乳管小葉単位(TDLU;terminal duct-lobular unit)に出現する異型病巣に対して用いられる, 病理組織学的な名称です. ほぼ同義の診断名としてcolumnar cell change with atypia, columnar cell hyperplasia with atypia, atypical cystic duct, atypical cystic lobuleなどがあります. WHOによる病理組織分類ではDIN(ductal intraepithelial neoplasia)Grade 1Aともいわれていましたが, 2012年発刊の第4版ではDIN自体が用いられなくなっています. 本病巣は原則的に非触知性で, 管腔内に分泌型の微細石灰化を伴うことが多いため, マンモグラフィで発見され, 石灰化を目指した針生検標本中にも観察されます.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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