<< 一覧に戻る

私と胃癌

第9回 腹腔鏡胃がん手術事始め

北野正剛

胃がんperspective Vol.10 No.4, 62-65, 2019

1990年わが国に腹腔鏡下胆嚢摘除が導入された。 当時は従来の肝疾患の診断に用いられていた腹腔鏡と気腹器を借用したもので,今では想像できないほど機能が低い上,婦人科あるいは泌尿器科における小手術用鉗子で代用していたので,精緻で高度な技術を要する手術手技には困難を伴うものであった。
筆者は,前年の1989年夏に世界で腹腔鏡手術開始の情報を得て翌年,首尾よく希望した市中病院への出張が実現し1990年12月13日第1例を経験した。第1例目は3時間近い手術時間を要したが経験を積むにつれ手術時間が短くなり20例目で30分,30例目を超えると20分で終了することも多くなり,多施設からの見学も受け入れ1日4例施行することも珍しくなかった。因みに小職が母教室に戻るまでの1年4ヵ月で270例以上の症例を九州・西日本一円から訪れた約500名の外科医に供覧した。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る