文献紹介
ヒト胃がんの発がん過程におけるWnt/R-spondin Nicheへの非依存状態に至る多様な経路
胃がんperspective Vol.10 No.4, 50-51, 2019
胃癌は世界で癌死の原因の第5位の悪性腫瘍である。近年の次世代シークエンサーの解析により,胃癌は4つのsubgroup(EB virus positive/Microsatellite instability;MSI/Chromosomal instablity/Genomically stable)に大別されることが明らかとなったが,その遺伝学的な特徴と表現系の相関は不明である。オルガノイドはさまざまな生体の上皮組織の最小構成単位を,幹細胞を中心にin vitroで再現する方法であり,その培養にはWnt3a, R-spondin, Nogginを中心とした“Niche因子”が不可欠である。
本研究では,胃癌患者から樹立されたオルガノイドにおけるgenetic/epigeneticな特徴と表現系との相関に関して,詳細な検討を行った。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。