胃癌において腹膜播種は頻度の高い転移形式ですが,その有無で治療方針や予後が大きく異なります。最近では腹膜播種症例における胃切除の意義が臨床試験の結果により否定され1),治療方針決定に際して腹膜播種診断がより重要となってきています。しかしCTやPETによる腹膜播種の診断率は高くありません2)3)。そこで腹膜を低侵襲に視診できる「審査腹腔鏡」が多用されています。ガイドラインでも弱く推奨されていますが,対象に関しての統一した基準は示されていません4)。大型3型,4型など腹膜播種の頻度が高い症例,NACを予定しているBulkyリンパ節,大動脈周囲リンパ節転移症例,conversion surgeryの候補症例などを対象として行われています。