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臨床試験紹介

治療歴のある進行胃癌に対するnab-paclitaxel療法(毎週または3週毎投与)とsolvent-based paclitaxel療法の第Ⅲ相比較試験(ABSOLUTE試験)

石井貴大

胃がんperspective Vol.10 No.2, 62-65, 2019

Nab-Paclitaxel(nab-PTX)は,アルブミンにpaclitaxelを結合させ,ナノ粒子化したpaclitaxel製剤である。専用の溶媒(ポリオキシエチレンヒマシ油およびエタノール)が必要な既存のpaclitaxel(solvent-based paclitaxel,sb-PTX)と異なり,生理食塩液で懸濁し投与することが可能である。過敏症予防の前投薬が必要でなく,点滴時間の短縮,アルコール過敏症患者への投与が可能になるなどの利便性が得られる。二次治療としてnab-PTXの3週毎の投与を検証した国内第Ⅱ相試験54例の結果では,奏効割合(ORR)27.8%,無増悪生存期間(PFS)中央値2.9ヵ月,全生存期間(OS)中央値9.2ヵ月であり,忍容性も許容範囲内と考えられ,nab-PTXは2013年2月に胃癌に対して保険承認された。本試験では,進行胃癌に対する二次治療としてnab-PTX(毎週または3週毎投与)がsb-PTXと比較された1)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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