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私と胃癌

第2回 胃癌の分子病理学

―20世紀のDNA時代から21世紀RNAの時代へ―

田原榮一

胃がんperspective Vol.9 No.1, 68-71, 2017

昭和37年,医学生6年生のとき,母が胃癌と診断された。しかし,それは誤診であり,実際は胃潰瘍であった。そのとき,X線の胃癌診断に大きな疑問をもつようになった。そして,インターン生活に入り,アルバイト先の外科病院で大変勉強になる経験をした。それは,放射線医,外科医および病理医が,手術された胃癌や胃潰瘍症例を肉眼的および病理組織学的に検討するという臨床カンファレンスを学んだことである。X線上の虚像を肉眼と組織像で実像を診断する真の診断法である。後に病理学に進み,さらに,胃癌の本体,進展と転移機構を分子病理学的に研究して,得られた研究成果を臨床に導入した「分子病理診断」を実践応用した1)。これが日本癌学会「長与又郞賞」の受賞に結びつく。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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