内視鏡手技の解説―臨床のコツとテクニック―
噴門部病変のESDテクニック
掲載誌
胃がんperspective
Vol.8 No.1 39-43,
2015
著者名
角嶋直美
/
小野裕之
/
滝沢耕平
/
田中雅樹
/
川田登
/
今井健一郎
/
堀田欣一
/
松林宏行
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
消化器外科
媒体
胃がんperspective
「はじめに」胃噴門部に発生する癌,噴門部癌は食道胃接合部(esophagogastric junction;EGJ)上下2cm以内に発生する癌と「胃癌取扱い規約」(第13版)では定義されていなかったが,第14版ではこの部位を中心にもつ癌を組織型にかかわらず食道胃接合部癌として,「食道癌取扱い規約」(第10版補訂版)と共通の定義を採用している。一方,Siewertらは,EGJの腺癌のうち,腫瘍の中心がEGJの口側1cm~肛側2cmにあるものをTypeⅡとし,真の噴門癌としている。食道胃接合部の腺癌の発生母地としては,胃底腺や噴門腺,固有食道腺,食道バレット上皮がありうるが,本邦では食道バレット由来の癌は少ない。そこで,本項ではSiewert TypeⅡの食道胃接合部癌に対するITナイフ2 (KD-611L, オリンパス)1)を用いたESDテクニックについて述べる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。