State of the art(胃がんperspective)
胃がん臨床試験の個人データに基づくメタアナリシス
胃がんperspective Vol.8 No.1, 20-27, 2015
メタアナリシスは,EBM(evidence based medicine)の普及に伴って非常に多くの報告がなされるようになった一方で,個人データに基づくメタアナリシスについては数が限られる。進行・再発胃がんならびに根治術後胃がんを対象とした個人データのメタアナリシスプロジェクト(GASTRIC project)は,胃がん領域では最も規模の大きい個人データに基づくメタアナリシスである。本稿では,①進行・再発胃がんに対する化学療法,根治術後胃がんに対する術後化学療法の有効性に関する検討,ならびに,②無増悪生存期間,無病生存期間の全生存期間に対する代替性の検討,の大きく2つについて,GASTRIC projectで得られた結果を概説する。個人データに基づくメタアナリシスは,実施に多くの時間を要するものの,一つの臨床試験では結論づけることの難しい問題に対する答えを提供できるため,臨床的意義も大きく,継続的なデータ収集により治療の発展に寄与できるものと考える。
「Key words」メタアナリシス,ランダム化比較試験,胃がん,代替エンドポイント,化学療法
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