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内視鏡手技の解説―臨床のコツとテクニック―

ESDにおける穿孔とマネジメント

佐藤義典鈴木晴久佐藤知子関口正宇眞一まこも森源喜金城譲阿部清一郎野中哲吉永繁高小田一郎

胃がんperspective Vol.7 No.2, 40-46, 2014

「はじめに」内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は, リンパ節転移リスクのない早期胃癌に対する治療として広く普及している. しかし, ESDは高度な技術を要する治療であり, 偶発症が一定の頻度で起こり得ることが報告されている1). 主な偶発症として, 術中に発症する出血や穿孔, 術後に発症する後出血や遅発性穿孔, 消化管狭窄などがあげられる. 偶発症を起こさないように工夫するのは当然であるが, 偶発症を重篤化させないために, 速やかに対策を講じることが重要である. 本稿では, 特に胃ESDに伴う穿孔とその対処法について概説する. 「術中穿孔」「1. 要因と予防法」胃ESDに伴う穿孔のほとんどは術中に起こり, その発症頻度は1.2~5.2%と報告されている2). 術中穿孔は粘膜下層剥離時に発生することが多く, 剥離深度が深くなり筋層以深に切れ込むことにより生じる. しかしまれではあるが, プレカットや粘膜切開, また止血操作の際にも穿孔を生じることがあるため注意が必要である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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