内視鏡手技の解説―臨床のコツとテクニック―
              
 潰瘍・線維化を伴う病変に対するESDのテクニック
                  掲載誌
                
 
                  胃がんperspective
                  Vol.6 No.4 37-41,
                  
                    2013
                  
 
                    著者名
                  
  
                          落合康利
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                          矢作直久
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          消化器
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                          癌
                        
                    診療科目
                  
  
                          消化器内科
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                          手術・救急
                        / 
                          消化器外科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      胃がんperspective
                    
 「はじめに」 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の開発により任意の範囲を一括切除することができるようになり, 早期胃癌の治療は大きな進歩を遂げた. 2006年に保険収載され全国的に施行されるようになり, ESDはリンパ節転移リスクのない早期胃癌に対する標準的治療といっても過言ではないが, いまだに潰瘍・線維化(潰瘍瘢痕)の合併は大きな問題である. 粘膜下層が線維化を起こすことで剥離層の分離が困難となるために手技の難易度が大きくあがってしまう. 本稿では潰瘍瘢痕合併例に対する当センターでのESDのテクニックに関して述べる. 「術前診断」 瘢痕は, 消化性潰瘍・悪性サイクル・内視鏡治療後などさまざまな原因で起こり得る. 潰瘍瘢痕合併例に限らず, ESDを安全・確実に施行するためにはストラテジーが重要であり, そのためには術前検査の時点で線維化の程度および範囲を予測しておく必要がある. 通常内視鏡観察でも確認できるが, インジゴカルミンによる色素内視鏡を行うことでヒダ集中はより明瞭となる.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。