レジデントからのQ&A
食道裂孔ヘルニアを合併した患者に対する幽門側胃切除後の再建法で注意する点を教えて下さい
掲載誌
胃がんperspective
Vol.6 No.3 48-50,
2013
著者名
大橋真記
/
片井均
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
胃がんperspective
「Answer」「はじめに」食道裂孔ヘルニアは後天性のものが多く, 高齢者, 肥満者, 喘息や慢性気管支炎等の咳嗽性疾患で腹圧上昇をきたしやすい人などに多い疾患です. 胃癌患者の高齢化と肥満化が進む中, 食道裂孔ヘルニアを合併する胃癌患者も今後増加することが予想されます. 高齢, 肥満, 呼吸器疾患は術後消化管蠕動回復遅延, 腹圧上昇による腸液逆流, 誤嚥性肺炎を含む呼吸器合併症の発生割合上昇や重症化とも関連します. さらに, 術後逆流性食道炎は患者QOLを著しく損なうため, 食道裂孔ヘルニアを合併する胃癌患者では, 慎重な周術期管理と術式選択が求められます. 「幽門側胃切除後の再建法」Billroth I(B-I)法, Billroth II(B-II)法, Rouxen-Y(R-Y)法が一般的です. 最も頻用されるのはB-I法とR-Y法です. 各再建法には特性(利点と欠点)があり(表1), これらを十分理解して柔軟に使い分けることが重要と考えます.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。