レジデントからのQ&A
胃切除後のQOL評価方法について教えてください
掲載誌
胃がんperspective
Vol.5 No.4 50-51,
2012
著者名
中田浩二
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
胃がんperspective
「Answer」胃切除術は, 内視鏡的治療適応外症例で切除可能な胃癌に対する最も有効な治療法として広く行われています. 一方, 胃を切除することでさまざまな症状が出現したり, 体重が減ったりして生活障害をきたす“胃術後障害”1)が臨床的な問題とされています(図1). このため手術の根治性だけでなく術後のQOL向上にも寄与する術式の開発が望まれており, 実際に機能温存2)・再建術式3)などの工夫が行われています. 私たちが日常的に行っている胃切除術がどれくらい患者の日常生活に影響を及ぼしているか, またその影響の度合いが術式によりどれくらい異なるかを知ることは, 胃切除に起因する生活上の問題に対処したり, 胃術後障害の少ない術式を選択・改良する上で重要です. そこで用いられるのが自己記入式質問票(QOL調査票)です. 患者へのアンケートというと, 何か主観的で頼りない印象を受けるかもしれませんが, “信頼性と妥当性が検証された”調査票は計量心理学に基づいた科学的な評価法として認められています.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。