専門医のためのアトラス
ESD病理診断―壁深達度,脈管侵襲,断端―
掲載誌
胃がんperspective
Vol.5 No.3 32-39,
2012
著者名
藤田泰子
/
岸本光夫
/
柳澤昭夫
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
胃がんperspective
内視鏡的粘膜下層剥離術において切除検体の壁深達度, 脈管侵襲, 断端評価の病理診断は追加治療の必要性の判断に重要である. 壁深達度はSM浸潤の有無とその程度が重要である. 粘膜筋板の同定が問題となる場合には免疫染色, 特にdesminが有効である. 脈管侵襲の検索はD2-40の免疫染色や弾性線維染色が診断に役に立つ. 断端評価は熱変性などにより判断が難しくなることもあり, 適切な切除法および検体処理が精度の高い診断につながる. 「はじめに」内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後の方針を決める上でESD切除検体の病理診断は重要である. 胃癌治療ガイドライン第3版1)では外科切除症例におけるリンパ節転移の解析結果2)などに基づき, 深達度や組織型等の因子を指標にアルゴリズムが記載されている. このアルゴリズムにおいて, ESD切除検体の病理学的検索による壁深達度, 脈管侵襲, 断端の評価は, ESD後の治療方針の決定において特に重要な因子である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。