座談会(Round Table Discussion)
日本の胃癌はどう変わっていくのか
掲載誌
胃がんperspective
Vol.5 No.2 5-14,
2012
著者名
佐野 武
/
菊地 正悟
/
片井均
/
山本智理子
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
胃がんperspective
胃癌とH.pylori感染との関連性が明らかになって20年が経過した. 衛生状態の改善や食習慣の変化などでH.pylori感染率は世界的に減少し, それに伴って遠位側の胃癌が減少している. 日本も例外ではない. 一方, 近位側の胃癌や下部食道腺癌が欧米諸国で急激に増加し, 日本でもその兆しが見えてきた. これら噴門部周囲の癌は, H.pyloriを起因とする従来の胃癌とは性格が異なり, 手術の対象としても手ごわい. 日本の胃癌はどう変わり, それにどのように対応すべきであろうか. 本座談会では, H.pylori感染と胃癌リスクの疫学研究に詳しい菊地正悟先生, 胃癌の手術治療に長年携わる片井均先生, がん研究所の膨大な病理データを持つ山本智理子先生をお招きし, 日本の胃癌の変遷と今後の対応について, H.pyloriと胃癌の関連を軸に討論いただいた. (佐野武) 佐野(司会) 胃癌の座談会では化学療法や手術といった臨床的なテーマを話題にすることが多いのですが, 今回は疫学を中心に外科と病理の観点を交え, アプローチしてみたいと思います.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。