State of the art(胃がんperspective)
胃癌治療における抗癌剤感受性試験の有用性
胃がんperspective Vol.2 No.4, 14-21, 2009
わが国における全国調査では, 抗癌剤感受性試験の正診率は74%である. われわれは胃癌補助化学療法選択における抗癌剤感受性試験の有用性を明らかにしてきた. 2007年になり, 多施設共同臨床試験の結果, 進行・再発胃癌に対してはTS-1+シスプラチンが有効であることが, また, Stage II, III胃癌治癒切除例の補助化学療法にはTS-1が有効であることが報告された. しかし, これらの臨床試験における有効アームにおいてもメリットを受けない耐性群が存在することが予測され, 標準的治療が開発されていくなかでも, 癌治療の個別化は重要な課題であり, 化学療法排除の適応群と耐性群の弁別には現在のところ抗癌剤感受性試験が最も有用と考えられる. 今後, 抗癌剤感受性試験の有用性は, randomized control studyにより証明される必要がある. 『1 抗癌剤感受性試験の臨床効果予測性』 1. 現在臨床応用されている抗癌剤感受性試験 1997年の第30回制癌剤適応研究会において全国アンケートが行われ, わが国で用いられている抗癌剤感受性試験の方法が調査された1).
記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。
M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。