特集 腹膜転移,骨転移,脳転移の集学的治療
消化器癌骨転移に対する外科的治療とその予後
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.6 No.1 26-32,
2013
著者名
中馬広一
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」薬物療法の進歩で進行再発結腸癌の生存期間中央値が2年を超える時代となった. 肝転移, 肺転移の積極的外科治療も盛んで, 緩和治療が主体であった終末期の骨転移治療でより高いQOLを獲得できた症例も多くなった. 高分化腺癌結腸癌の単発骨盤, 脊椎転移病巣は切除されることもあり, 晩期再発予防の根治的手術が有益である. 終末期に骨転移を併発した場合, 結腸癌で7~8ヵ月の予後であり, 胃癌は骨髄症などを併発し予後がきわめて短い. 予後, 骨転移数を基にした, 四肢, 脊椎骨転移に対する手術方法選択の考え方について解説した. 「頻度」骨転移は, がん末期にみられる普遍的な病態で, 剖検では30~60%の患者で骨転移巣が確認される. しかし, 臨床上顕在化する骨転移は, がん種で大きく異なり, 消化器癌の骨転移の罹患率は低い. 大腸癌は数%, 肝臓癌は, やや高く10数%で, 肝臓癌, 食道癌, 大腸癌等の長期生存例で治療が必要な骨転移が発症しやすい1-4).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。