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特集 大腸癌の組織発生・発育進展を再考する

大腸鋸歯状病変の臨床病理および分子異常―鋸歯状経路の意義―

菅井有幅野渉石田和之松井雄介山野泰穂木村友昭山本英一郎鈴木拓鈴木一幸

大腸癌FRONTIER Vol.5 No.4, 24-31, 2012

「Summary」鋸歯状病変はその特徴的な臨床病理像および分子病理学的所見から最近注目を集めている疾患群である. その中心は過形成性ポリープ(HP), 鋸歯状腺腫(TSA), sessile serrated adenoma/polyp (SSA/P)である. HPはTSAもしくはSSA/Pの初期病変という考えが定着しつつあり, TSAとSSA/Pへと進展することが指摘されている. 鋸歯状病変の分子異常はBRAF変異やK-ras変異が共通の分子異常である. SSA/Pにおいては病変の進展に伴ってCIMP(CpG islands methylation phenotype)-high(CIMP陽性), MSI(microsatellite instability)などの分子異常が出現することが指摘されているが, CIMPはTSAにもみられることが報告されている. 鋸歯状病変は明らかに癌化し, その最終的な癌の分子病型も特徴的である(MSI陽性大腸癌, BRAF変異陽性大腸癌やCIMP陽性大腸癌). 鋸歯状病変の臨床病理学的特徴および分子異常を知ることは病理医のみならず内視鏡医にとっても日ごろの診療に重要な示唆を与えることになる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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