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特集 次期改訂に向けて~大腸癌取扱い規約の改訂に望むこと

脈管侵襲の評価法と分類,どうあるべきか

Pathological assessment of lymphatic and blood vessel invasion

小嶋基寛島崎英幸鹿毛政義秋葉純岩屋啓一大倉康男堀口慎一郎庄盛浩平九嶋亮治味岡洋一野村尚吾落合淳志五十嵐正広石黒信吾

大腸癌FRONTIER Vol.5 No.3, 43-49, 2012

「Summary」脈管侵襲の判定の現状調査とコンセンサスの得られる判定基準の作成を試みた. 現状では評価に使用する標本作製枚数, 免疫染色, 特殊染色の使用から, 判定にかかわる所見の判定一致率など複数の部分で施設間および病理医間の差があり, 今後一定にする必要があると考えられた. Elastica染色における腫瘍胞巣の半周以上で弾性板がみられること. D2-40免疫染色における腫瘍胞巣の半周以上でD2-40陽性内皮細胞がみられること. この二項目はly, vの判定にかかわり, かつ一致率の高い所見であり, 免疫染色, 特殊染色を使用し, 上記所見に着目してly, vを判定することが客観性の向上に有用であると考えられた. それらの基準を含む新しい判定基準がDelphi methodを用いて作成されたが, 判定一致率向上に役立つのか? 病理医全体で同意が得られ浸透し得るのか, さらなる検討が必要な状況である.
「Key words」脈管侵襲,ly,v,判定基準,大腸癌

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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