「Summary」大腸癌取扱い規約は, 大腸癌の手術療法に関する「判定と記録のためのルール」という役割を継承しながら, 1977年に初版が刊行されて以来6度の改訂を経て, およそ35年にわたり国内で広く臨床使用されている. 2012年現在, 大腸癌研究会は, 大腸癌の新しい予後因子を導入すること, 現行規約の問題点を修正すること, および胃癌取扱い規約第14版とTNM分類第7版との整合性を図ることを主たる目的として改訂作業を行っているが, 2005年に大腸癌治療ガイドラインが作成されたことで, 規約本来の役割に特化することへの軌道修正も必要になってきている. 本稿では大腸癌診療における規約の意義と大腸癌治療ガイドラインとの役割分担について私見を交えて考察した. 「はじめに」大腸癌研究会は2011年7月に規約改訂委員会を再編成し, 大腸癌取扱い規約(以下, 規約)の改訂作業に着手した. 改訂の主たる目的は, 新たな知見に基づく大腸癌の予後因子を規約に導入すること, 現行規約の不備や問題点を修正すること, および規約第7版の刊行後に改訂された胃癌取扱い規約第14版とTNM分類第7版との整合性を図ることである.
「Key words」大腸癌取扱い規約,大腸癌治療ガイドライン,大腸癌登録,胃癌取扱い規約
「Key words」大腸癌取扱い規約,大腸癌治療ガイドライン,大腸癌登録,胃癌取扱い規約