【特集 肛門管癌と虫垂癌】
【各論―肛門管癌―】肛門管癌に対する手術適応と術式の選択
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.5 No.2 38-41,
2012
著者名
関本貢嗣
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水島 恒和
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西村潤一
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竹政伊知朗
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池田正孝
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山本 浩文
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土岐 祐一郎
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森 正樹
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」肛門管癌で最も頻度が高い腺癌については直腸癌の治療方針に倣うのが一般的である. また, 悪性黒色腫は悪性黒色腫の治療ガイドラインに沿った治療が求められる. ここでは, 肛門管癌の多くを占め腺癌とは異なる治療戦略が求められる扁平上皮癌について述べる. 欧米では, 肛門管扁平上皮癌の第一選択の治療法は化学放射線治療である. その治療成績や治療技術については別項で述べられるので省略するが, 日本でも欧米の方針に従う施設が増えつつある. しかし化学放射線治療では十分な効果を得られない症例は少なくない. また多くの症例は局所再発する. これらには外科治療, 通常は直腸切断術の適応となるが, 骨盤内臓器全摘術や会陰の広範囲切除を要することも少なくない. 放射線治療の影響で治癒遅延や創弛開などの創治癒に関する合併症が高率であることから, NCCNのガイドラインでは筋皮弁による会陰再建の併施が推奨されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。