【特集 大腸癌における微量癌細胞の意義】
糞便を用いた大腸癌の遺伝子診断(1)~糞便中の剥離癌細胞を対象とした大腸癌検診法の開発~
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.5 No.1 45-49,
2012
著者名
古賀宣勝
/
松村保広
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」大腸癌患者の糞便には遊離核酸だけではなく剥離癌細胞も含まれており, 大腸癌診断の重要な材料である. そのため便潜血検査に替わるような大腸癌検診法の確立を目指して, 遊離核酸を対象とした研究が世界中で行われているが, われわれは糞便中の剥離癌細胞自体に着目しており, EpCAM抗体付加イムノビーズを用いた糞便中剥離細胞の細胞分離を行っている. 本稿では抽出した便分離細胞DNAを用いてAPC, p53, K-rasの遺伝子変異解析, 便分離細胞RNAを用いてCOX2, MMP7, MYBL2, TP53の発現解析およびmiR-21, miR-135, miR-17-92 clusterの発現解析を報告した. 「はじめに」臨床現場において糞便の性状や色調の観察は, 問診とともに消化器疾患の有無を簡便・容易に推測する重要な情報源である. 通常観察だけにとどまらず培養検査やPCR検査などの精密検査を行うことにより, 疾患を確定診断し適切な治療を行うための詳しい情報が糞便には隠されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。