【特集 大腸癌における微量癌細胞の意義】
微量癌細胞検出の臨床的意義~腫瘍内科医の立場から~
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.5 No.1 14-19,
2012
著者名
松阪諭
/
畠 清彦
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」腫瘍内科医からみた微量癌細胞検出の意義は, 化学療法薬効果予測診断, 化学療法薬耐性機序の解明(新規薬剤の開発), 再発予測・早期再発診断があげられる. 化学療法薬効果予測診断として末梢循環癌細胞(CTC)が有用で, 癌細胞を標的としない分子標的治療薬では, 末梢循環標的細胞(支持細胞)の解析が有用である. 癌細胞を標的とする分子標的治療薬の耐性機序に, 癌細胞の受容体および下流シグナルがかかわることが明らかになってきた. CTCの表現型をIHC, FISH, 遺伝子解析にて測定する技術が確立され, 腫瘍進行過程および化学療法中に後天的な癌細胞の遺伝子増幅や変異を来すことが明らかになってきた. 化学療法中のCTCを経時的に解析することにより, 新規化学療法薬の耐性機序が解析可能と考えられ, 新たな新規薬剤の開発に有用であると考えられる. さらにCTCの高感度の検出技術が開発されれば, 再発予測・早期再発診断が実現可能と考える.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。