Summary  RNAiによる癌治療は1998年に発見された特定の遺伝子を抑制する機構である。siRNAやmiRNAによりmRNAを翻訳抑制・分解することによりタンパクの生成を阻害する。癌遺伝子がRNAiのターゲットとなる可能性があり,siRNAを用いた癌治療の開発が行われている。また,siRNAを治療標的細胞まで運搬するためには毒性の少ない,運搬効率のよい,免疫反応を誘導しないDDSの開発が必要である。現在,数は少ないがsiRNAを用いた癌に対する治療に関する臨床試験が行われている。