Summary  大腸ESDは,現在先進医療としてのみ実施可能であるが,認可は2011年7月現在で140施設をすでに超えている。当院でのESDの適応は先進医療の適応に準じLST-NG>20mm, LST-G(mix)>30mmを基本としている。手技は,ボールチップ型Bナイフ,ITナイフを主デバイスとし,グリセオール®/ヒアルロン酸を局注剤とし,water jetスコープにSTフードショートタイプを装着し,必ずCO2送気のもとに行う。通常反転で口側から周囲切開を開始し,部分的な切開後,SM層の剥離をスタートさせることがコツである。当院における治療成績を2007年までの前期と2008年からの後期3年との間で比較したところESD施行医は2→6人と増加し,穿孔率3.8→1.9%(最近2年間は0.8%)と減少している。院内における手技の標準化が進み,大腸ESDが安全に施行できる環境が整ったが,今後は日本国内から海外に向けてESD手技の普及を考える必要がある。