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早期大腸癌の内視鏡治療・外科手術の最前線

EMR/分割EMR/ESDの住み分け

岡志郎田中信治茶山一彰

大腸癌FRONTIER Vol.4 No.3, 41-48, 2011

Summary
 大きさからみた大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)の適応は,スネアにて一括切除困難な腫瘍(通常,径2cm以上)であるが,これらの多くは腺腫主体のいわゆる側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor;LST)である。特にLST顆粒型は術前にSM浸潤部や高異型度癌が疑われる部位を診断できるため,癌の部分をスネアで一括できれば計画的分割切除でも病理診断に支障をきたすことなく根治できる。現在,「大腸ESD標準化検討部会」による大腸ESDの適応基準は,スネアによる一括切除が困難な大腸腫瘍性病変であり,具体的にはLST-NG偽陥凹型,VI型pit patternを呈する病変,SM軽度浸潤癌,大きな陥凹型腫瘍,癌が疑われる大きな隆起性病変,粘膜下層に線維化を伴う粘膜内病変,慢性炎症を背景としたsporadicな局在腫瘍,内視鏡的切除後の局所遺残早期癌である。なお,現在大腸ESDは保険収載されておらず先進医療として施行されている。

Key words
●大腸腫瘍 ●EMR ●分割EMR ●ESD ●適応

はじめに

 胃で標準化した内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)は大腸においても導入され,これまで内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR)では分割切除せざるを得なかった大きな大腸腫瘍も一括切除できるようになった(図1)。

現在,各種デバイスやスコープの開発・改良,手技の工夫により大腸ESDの技術的ハードルは明らかに低くなり徐々に一般化しつつあるが1, 2),大腸特有の解剖学的特性(薄い大腸壁,ヒダや屈曲の存在など)に伴う内視鏡操作の難易度が依然として胃ESDに比べて高い。本稿では大腸腫瘍に対するEMR,分割EMR,ESDの住み分けについて解説する。

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