はじめに  マルチスライスCT(MSCT)の登場によりCT診断は革命的な進歩を遂げ,放射線診断の中核的な存在となった。消化管診断においても解像度に優れたMSCTの再構成画像により,原発巣や転移巣の正確な評価が可能となった1)。特にMSCTの画像データを活用した大腸のCT三次元表示はCT colonography(CTC)として,術前診断やスクリーニングに応用されるようになった2)。術前CTCでは原発巣の三次元表示のみならず,MPR(multi-planar reconstruction)表示によって,任意方向の高精細な断層画像により,リンパ節腫大(転移)の詳細な評価が可能である。本稿ではCTCにおける早期大腸癌のリンパ節転移診断において,その診断法と限界について報告する。