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早期大腸癌の内視鏡治療・外科手術の最前線

【特別寄稿】大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か

河野弘志鶴田修野田哲裕長田修一郎前山泰彦有田桂子長谷川申光山慶一佐田通夫

大腸癌FRONTIER Vol.4 No.3, 31-36, 2011

はじめに
 大腸癌死亡率の増加やマスメディアによる情報配信などに伴い,大腸疾患に対する世間の関心は大きくなっており,それに伴って大腸検査数や内視鏡医が大腸疾患に遭遇する機会は増加している。大腸疾患の中で比較的遭遇する機会の多い大腸腫瘍性病変の診断は重要であり,その診断には内視鏡検査や注腸X線検査などが用いられている。

はじめに(続き)

 内視鏡検査においては,従来の通常内視鏡検査に加え,pit pattern拡大観察,微細血管構築・微細表面構造を観察する狭帯域光観察(narrow band imaging;NBI)や自家蛍光の色調差を応用した自家蛍光内視鏡(auto-fluorescence imaging;AFI)などの画像強調観察(image enhanced endoscopy;IEE),超音波内視鏡検査などが存在し,最近では3D-CTによる仮想内視鏡検査も試みられている。
 一方,注腸X線検査は従来から大腸病変の診断に用いられており,また大腸癌の発育・進展,大腸癌自然史の解明において1),果たしてきた功績ははかり知れない。しかし,近年その検査数は減少傾向にある。その原因として,注腸X線検査の際に被検者にはある程度の体動が求められるため,高齢者には不向きである,放射線被曝の問題,若い医師の内視鏡への興味,被検者は注腸X線検査と内視鏡検査の2種類の異なる検査を受けることを希望せず,その場合は生検を行うことができる内視鏡検査を希望する,などがあげられる。それでは大腸癌の診断に注腸X線検査はどこまで必要であろうか。注腸X線検査の実際とその必要性について述べる。

注腸X線検査による早期大腸癌の診断

 注腸X線検査を用いた大腸病変の診断には,存在診断,質診断,深達度診断がある。

1.存在診断

 病変の存在診断であるが,病変の見逃しや指摘不能を回避するためには,体位変換により病変に満遍なくバリウムを付着させ,背臥位および腹臥位での撮影を行うことが重要である。部位によっては,斜位にすることで腸管の重なりを避けて撮影する必要がある。存在診断の指標として,透亮像や不整なバリウム斑(図1),ひだの太まり(図2)などがあげられ,これらの所見に恒常性がみられることが重要である。

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