Summary  内視鏡治療の適応決定のために重要な通常内視鏡所見として,隆起型SM癌では,腫瘍の全体像における緊満所見,内視鏡的硬さ,凹凸不整,腫瘍の表面性状における粗造所見,また,腫瘍周囲の性状における皺襞集中,ひきつれ,孤の硬化,に注目する。表面型SM癌においては,腫瘍の全体像における緊満所見,内視鏡的硬さ,凹凸不整,腫瘍の表面性状における陥凹内隆起,陥凹内の凹凸,粗造,強い発赤所見,また,腫瘍周囲の性状における皺襞集中,ひきつれ,孤の硬化,台状挙上,に注目する。病変発見時には色素散布を積極的に併用し,肉眼型ごとにこれらの通常内視鏡所見が一つ以上みられる場合には外科手術を考慮し,これらの通常内視鏡所見が一つもみられない場合は積極的に内視鏡治療を行うことが効率的と考えられる。また,超音波細径プローブ検査は注腸X線検査,内視鏡検査にはない,病変の断層像を得ることが可能な検査であり,SM浸潤距離の計測も可能であることから,SM深部浸潤癌を疑う場合,またSM浸潤癌に対して内視鏡治療を行おうとする際の垂直断端陽性防止のために追加すべき有用な術前検査である。