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次期改訂に向けて~大腸癌治療ガイドラインの問題点と今後の方向性

「外科治療」 ─コメント─

板橋道朗亀岡信悟

大腸癌FRONTIER Vol.4 No.2, 24-27, 2011

はじめに
 2009年の本邦における部位別がん死亡率をみると,大腸癌は,男性3位,女性で1位であり,死亡数は男性22,748人,女性19,659人であり年々増加の一途をたどっているのが現状である。したがって,本邦全体の大腸癌治療成績を向上させることが急務である。そのような状況の中で,大腸癌治療ガイドラインは治療の均てん化を目標として作成され,広く浸透してきている。

はじめに(続き)

 大腸癌治療ガイドラインは,欧米諸国に比して優れた治療成績を示している本邦の外科治療の現状や専門家のコンセンサスに基づいて,国内外の臨床試験の成績などを参考に作成されている。2005年に初版が発刊され2009年版,2010年版と改訂され,現在2013年の改訂に向けガイドライン委員会で作業が進行中である。外科治療法の進歩や,新しいエビデンスの形成,臨床試験の成績が判明するなどの変化に対応して適宜改訂作業が望まれる。

国際的ガイドラインとの整合性

 外科治療に関するガイドラインでは,その性質上エビデンスレベルの高いものは多くなく,retrospectiveデータの解析や専門家のコンセンサスによりガイドラインが構成されることが多い。中枢方向や直腸癌における側方のリンパ節郭清の考え方は,必ずしも欧米と同一ではない。欧米の手術治療の実態を把握して,本邦に必要な情報を整理して伝えることが重要である。必ずしも同一である必要はないが,その背景にある手術法,切除標本の取扱い,占居部位の判断法などを考慮して欧米の成績を評価するとともに,海外に発信しても理解される成果を本邦全体で形成するようにしなければならない。大腸癌研究会のプロジェクト研究でさまざまな問題を明らかにすべく活発な活動が行われており,その成果が待たれる。

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