Summary
遺伝性非ポリポーシス性大腸癌(hereditary non-polyposis colorectal cancer;HNPCC)は家族性大腸癌の一つとして知られており,MSH2やMLH1などのDNAミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異,あるいはマイクロサテライト領域の不安定性(microsatellite instability;MSI)が高率に認められることが判明している。臨床的特徴としては大腸癌の50歳以下の若年発症,右側結腸癌の好発,多発大腸癌および他臓器重複癌の発症があげられている。HNPCCに発症した大腸癌の形態を一般の大腸癌と区別することは困難であるが,組織型は粘液癌や低分化腺癌の頻度が有意に高いとされている。治療は一般の大腸癌に準じた術式を行った後にサーベイランスを行われていることが多いが,サーベイランスの期間や方法についてはまだまだ課題があるとされている。
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大腸癌の病理診断をみつめる
【各論】遺伝性非ポリポーシス(HNPCC),Lynchの病理組織学的特徴。通常の大腸癌・腺腫と何が違う?
Clinicopathological characteristics of Lynch syndrome,hereditary non-polyposis colorectal cancer
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.4 No.1 59-62,
2011
著者名
諸橋 一
/
諸橋聡子
/
袴田 健一
/
鬼島宏
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
/
その他
媒体
大腸癌FRONTIER
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。