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わが国の大腸癌, さまざまな統計
わが国の大腸癌:最新の基本統計②
―大腸癌全国登録1974~1999年症例のデータから―
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.3 No.4 21-25,
2010
著者名
小澤 平太
/
固武 健二郎
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般内科
/
一般外科
/
消化器内科
/
老年科
/
消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
『Summary』 大腸癌研究会による大腸癌全国登録は調査対象が研究会会員施設に限定されており, カバー率は10%前後である. 1974~1999年までの26年間の全国登録データを集計して, わが国の大腸癌の時代推移を概観した. (1)占居部位は, 右結腸の割合が増加し, 直腸の割合が減少した. 右結腸の増加は高齢者とりわけ女性で顕著であった. (2)年齢階級は, いずれの時代も60歳代が最多であったが, 70歳以上の高齢層の増加率が高かった. (3)癌の進行度は, M・SM癌の割合が増加し, SS/A以深の進行癌の割合が減少した. Stage I+II/Stage III+IV比は増加する傾向がみられた. (4)切除率・手術死亡率はいずれも改善したが, 非切除例の手術死亡率は高率のまま推移した. 『はじめに』 がん統計の主要な指標は死亡率, 罹患率, 生存率である. 前者は国が実施する人口動態統計1)という全数調査に基づくが, 後二者は道府県市が実施するカバー率30~40%ほどの「地域がん登録」2,3)からの推計値に拠らざるを得ないのが現状である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。