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わが国の大腸癌, さまざまな統計
わが国の大腸癌:最新の基本統計①
―地域がん登録データより―
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.3 No.4 16-20,
2010
著者名
西野善一
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般内科
/
一般外科
/
消化器内科
/
老年科
/
消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
『Summary』 わが国における大腸がんの罹患数は地域がん登録に基づく2005年全国推計値で104,056(男性59,470, 女性44,586)であり, 部位別の罹患順位では男女とも第2位である. 罹患数および粗罹患率は人口の高齢化により増加傾向にあるが, 各年における年齢構成の違いを補正した年齢調整罹患率をみると1990年代半ば以降は男女とも横ばいとなっている. 病期(臨床進行度)の内訳をみると上皮内(粘膜内)癌の割合が増加傾向にあり, また占居部位については右側結腸が占める割合が増加している. これらの推移には高齢者人口の増加のほか, 生活習慣の変化や大腸がん検診の普及が影響していることが考えられる. 罹患数や罹患率は予防対策を立案しその効果を評価する上での指標となるものであり, 今後とも推移を注視する必要がある. 『はじめに』 地域がん登録は一定地域におけるすべてのがん症例を対象として情報を収集し, 罹患数や罹患率等の集計を行うことによりがん対策の基礎資料を提供するものである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。