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大腸癌研究の最新知見
【ゲノム遺伝子と大腸発癌】miRNAをはじめとするnc-RNAと大腸発癌
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.3 No.3 32-35,
2010
著者名
山下晋也
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石井 秀始
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竹政伊知朗
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水島 恒和
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池田正孝
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山本 浩文
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関本貢嗣
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土岐 祐一郎
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森 正樹
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
消化器
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癌
診療科目
一般外科
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消化器内科
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腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」最近non-coding RNA(ncRNA)の中でもマイクロRNA(miRNA)の研究が世界規模で行われており, 発癌の過程に関与していることが推測されている. miRNAはmRNAを標的として主にタンパク質の翻訳を制御している. 一つのmiRNAは複数のmRNAを標的にしており, その関係は多対多対応である. 大腸癌においても癌遺伝子様, 癌抑制遺伝子様に作用するmiRNAの報告が多数あり, 切除標本のみならず血液のmiRNAを用いた報告もされている. 将来的には血液, 生検サンプルを用いた早期発見や診断, さらに治療選択に用いることができるバイオマーカーとなることが期待されている. 「はじめに」non-coding RNA(ncRNA)とはタンパク質をコードしないRNA分子の総称である. DNA→mRNA→タンパク質の概念であるセントラルドグマが広く認めらているが, 全転写産物のうちタンパク質をコードするmRNAは全RNAのわずか数%に過ぎず, ncRNAが大半を占める.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。