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大腸癌研究の最新知見

【ゲノム遺伝子と大腸発癌】遺伝子多型と大腸癌発癌の最新知見

~多型でわかる大腸癌の現状~

山本健

大腸癌FRONTIER Vol.3 No.3, 20-25, 2010

「Summary」高密度SNPチップを用いた全ゲノム相関解析によって, 多因子疾患の一つである大腸癌のリスク遺伝子多型同定が進んだ. 中でも, TGFβシグナル伝達経路に関与する複数の遺伝子が同定されたこと, および大腸癌を含む多種の癌が相関する8q24領域と発癌との関連が分子レベルで解明されたことは特筆に値する. 遺伝子多型と病態との関連, 生活習慣との関連, 追跡集団を用いた遺伝子多型と大腸癌発症との関連の解明が課題である. 一方, 現在のTagSNPを用いたマッピングでは同定しえない遺伝要因が存在しており, 大腸癌の遺伝要因全貌解明には, シークエンシングによる低頻度発症関連遺伝子多型の解析が不可欠である. 「はじめに」ほとんどの大腸癌は複数の遺伝要因と環境要因の多段階にわたる相互作用によって発症する多因子疾患に属する. このような大腸癌の遺伝要因を解明するためのゲノム解析法として, 既知の遺伝子機能に基づいた候補遺伝子を対象とする方法と, 全ゲノムにわたる遺伝子多型をマーカーとして, マッピングによって遺伝子探索を行う方法がある.

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