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最新の大腸癌補助化学療法
【直腸癌の術前, 術後補助療法(化学放射線も含む)】国内外の臨床試験成績
―局所進行直腸癌に対する補助療法の現状―
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.3 No.1 30-34,
2010
著者名
佐藤武郎
/
渡邊 昌彦
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般外科
/
消化器内科
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腫瘍内科
/
放射線科
/
消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
「Summary」 局所進行直腸癌の治療では, 全生存率の向上のみならず, 独特の再発形式である局所再発のコントロールが重要な課題である. 全直腸間膜切除術(total mesorectal excision;TME)は, 局所再発率の低下をもたらした標準手術として認められている. 米国のNIHはp-Stage IIおよびIIIの直腸癌の標準治療として「切除+術後化学放射線療法」を1990年から推奨している. しかし, 本邦では欧米に比べて, 手術単独での局所再発率が低いために, 補助放射線療法の大規模臨床試験はほとんど行われなかった. 本邦ではTMEを対照とした多施設共同無作為比較試験が進行中であり, 報告が待たれる. このような国内外の現状を踏まえて, 局所進行直腸癌に対する補助化学放射線療法に関する現状を述べる. 「はじめに」 結腸癌は手術後の補助化学療法が標準治療となっているが, 進行直腸癌の標準的治療は確立されていない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。